ホトトギス属

 ホトトギス
(杜鵑草) 
関東地方以西、福井県以南に分布。 草丈は 40-80cmになり、花は葉腋に 1-3個ずつ付き、茎に斜上する毛が多く、4日間咲く。
品種シロホトトギスは花被片に斑点がほとんどない。
変種サツマホトトギスは茎や葉に毛のない。鹿児島県西部に分布。
 ヤマジノホトトギス
(山路の杜鵑草) 
北海道から九州までに分布する。草丈は30-60cm。花は2日間で、初夏から秋にかけて咲き、茎先と葉腋につく。花被片は白色で紫色の斑点が入り、上部で水平に開き、反りかえることはない。花被片の下部に黄色の斑点が入らない。花糸に紫色の斑点がない。 
 ヤマホトトギス
(山杜鵑草)
北海道南西部、本州の岩手県以南、四国、九州、朝鮮半島に分布し、草丈は40-70cmほどになる。花は 2日間で、茎の先に散房花序を伸ばし、晩夏に咲く。花被片は白色で紫色の斑点は大きく、花糸にも斑点がある。花被片が強く反りかえる。 
   セトウチホトトギス
(瀬戸内杜鵑草)
近畿から中国・四国地方に分布。ヤマジノホトトギスに似るが、花被片の下部に黄色の斑点がある。花糸に紫色の斑点がある。
   タイワンホトトギス
(台湾杜鵑草)
西表島に自生する。よく見られるのは園芸品でニワホトトギス(タイワンホトトギス×ホトトギス)。花が多く、集散状につく。
 タマガワホトトギス
(玉川杜鵑草)
最も冷涼な環境に適応する種で、北海道から九州。山の谷筋などの湿った場所に生育。葉腋または茎先に花序をつけ、黄色に赤紫色の斑点が入った花を咲かせる。和名はヤマブキの名所であった京都府井手町の玉川の名を借りたもの。
 キバナノホトトギス
(黄花杜鵑草)
宮崎県に自生。茎は立ち、高さ20-50cm、ふつう葉に 斑紋がない。花柄2-6cm、花は黄色でふつう2日で終わる。
 チャボホトトギス
(矮鶏杜鵑草)
東海、近畿地方、四国、九州南部。キバナノホトトギスに似るが、小さい。茎の高さ2~15cm。葉に紫褐色の斑紋がある。花柄は0.5-1.5cm。花は黄色、一日で終わる。 
 タカクマホトトギス
(高隈杜鵑草)
鹿児島県大隅半島の固有種で、岩場に生育し、キバナノホトトギスに似た黄色い花をつける。茎はほとんど無毛で、葉は幅広、花被片に斑点が少ない。
 キバナノツキヌキホトトギス
(黄花の突抜杜鵑草)
宮崎県に自生し、山の崖に下垂する。無毛。葉の基部は茎が突き抜く形になる。 花は黄色で葉腋に1個ずつつき、上に開く。
 ジョウロウホトトギス
(上臈杜鵑草)
高知県に自生。花は黄色い釣鐘型で、長さ 4cm ほど、下向きに開く。茎の基部は浅心形で、片側に耳片があって茎を抱く。
   サガミジョウロウホトトギス
(相模上臈杜鵑草)
神奈川県の一部に自生。ジョウロウホトトギスに似るが小型。 花は下向きに開き、茎頂に総状花序につく。葉の基部は両側に耳片があって茎を抱く。
変種スガルジョウロウホトトギスは距が小さく、葯が赤褐色。
   キイジョウロウホトトギス
(紀伊上臈杜鵑草)
紀伊半島南部に自生。ジョウロウホトトギスに似るが、葉が細くて光沢があるところで判別できる。花は下向きに開く。葉の基部は深心形で、両側に耳片があって茎を抱く。 
 
<花の構造>



<キバナノホトトギスとチャボホトトギス>



<4種花比較>

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