ヒトリシズカ


                               ’25.4.16撮影 帝釈峡(広島県)



             ’25.4.16撮影 帝釈峡(広島県)

花弁も萼もなくて、華やかさに欠けますが、白く長く伸びた糸状のものが、目を引きます。
白い糸状のものは雄しべで、その付け根にある緑色のものが雌しべ。
雌しべの膨らんだ部分が子房で、そこから雄しべが3本出ていて、
3本のうち外側の2本のつけ根に黄色の葯がついています。
葯はふつうは花糸の先端につきますが、根本につくメリットはあるのかな?
キビヒトリシズカは葯が裏に隠れているし、、、この構造、不思議です。

この日も、キビヒトリシズカがないかと探したのですが、見つからず。
「改訂新版日本の野生植物」でキビヒトリシズカの分布が
岡山県·香川県(小豆島)·九州北部(壱岐·対馬を含む)となっていました。
中国地方では岡山県だけなの? ほんとかな。
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 Chloranthus quadrifolius (A.Gray) H.Ohba & S.Akiyama
ヒトリシズカ(一人静)/ センリョウ科 チャラン属 多年草 / 4~5月 / 北海道~九州
林中。短く横にはう根茎から数本~多数の茎が直立する。茎ははじめ赤紫色でのちに緑色となり(ときに初めから緑色のものがある)、無毛、高さ15~30cm、下部の3~4節には膜質の鱗片葉があり、上部2節に大型の葉がある。大型の葉の節間はごく短く、4枚の葉が輪生するように見える。葉柄は長さ0.5~1.5cm、葉身は楕円形、卵状楕円形ときに広楕円形で先は急に狭まってとがり、基部は鋭形、長さ4~9cm、幅2~7cm、縁には先のとがった鋸歯があり、薄く、両面無毛である。頂生する1本(まれに2本)の穂状花序を伸ばし、密に多数の花をつける。花序の長さは、花期に1~2cm、果期には伸びて、2~3cmになる。苞は半円形で横に広く、長さ0.5mm、先は平らか浅く2~3裂する。雄蕊3本は合着し、葯隔は糸状に伸び、白色で長さ3~5mm、中央の雄蕊はふつうは葯がなく、両側の2本の雄蕊の基部外側にそれぞれ1個の黄色の葯がある。子房は長さ約1mm。果実は淡緑色、球形で長さ2.5~3mm。 和名は花を静御前の美しい舞姿にたとえたもの。
<よく似たもの>
  キビヒトリシズカ: 葯隔が長く8~12mm、葉は光沢がなく、先端は短く尖る。 
  フタリシズカ   : 花穂は1~5個。花は3個の雄しべが丸く子房を抱いている。   

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