キビヒトリシズカ

                ’12.4.26撮影 福津市(福岡県)




キビヒトリシズカの葉は光沢がなく、葉先は短く尖る。
ヒトリシズカの葉は光沢があり、葉先は細く尖る。

花穂を見るとキビヒトリシズカは雄しべの葯隔(白い糸状のもの)が長いので、ヒトリシズカと区別できますが、
クローズアップすると、黄色の葯のつきかたが違うことに気づきます。
キビヒトリシズカは3つに分かれた雄しべの後ろ側に葯がかくれてハッキリ見えません。
ヒトリシズカは雄しべの外側に2個の葯が1個ずつついているので、葯がよく見えます。


                 ’12.4.26撮影 福津市(福岡県)


                 ’12.4.26撮影 福津市(福岡県)


               ’12.4.26撮影 福津市(福岡県)

鳥見でよく行くところなんですが、タイミングが合わなかったようで気づきませんでした。
葉に光沢がないので、、花穂(穂状花序)がないとアジサイの若い株に見えます。
今回、初めて花穂をつけているのを見ました。
葉が展開して花穂を立てるので、ヒトリシズカより花穂を立てている期間が短いです。
一週間後はほとんどの株の花穂がなくなっていました。


<相違点>
キビヒトリシズカ  ヒトリシズカ 
葯隔は8~12mm
葉は光沢がなく、葉先は短く尖る。
雄しべの内側に4個の葯がある。
葯隔は3~5mm
葉は光沢があり、葉先は細く尖る。
雄しべの外側に2個の葯があり、よく見える。

 *改訂新版日本の野生植物によると分布は岡山県·香川県(小豆島)·九州北部(壱岐·対馬を含む)
 Chloranthus fortunei (A. Gray) Solms
キビヒトリシズカ(吉備一人静)/ センリョウ科 チャラン属 多年草 / 4月 / *瀬戸内海沿岸から九州北部
林中。短い根茎から数本の茎が直立して、高さ30~50cm、無毛である。葉は光沢がなく、輪生状に対生し、普通2対(4個)つき、広楕円形~卵状楕円形で長さ5~13cm、幅2.5~8cm、先は短く尖り、縁には鋭い鋸歯があり、両面無毛。頂生する1本の穂状花序を伸ばし、多数の花を密集してつける。花序の長さは花期に約2cm、果期に約3cm。苞は横幅が広く、深く3裂し、長さ1.5mm、幅2.5~3mm。雄蕊3本は合着し、葯隔は細長く糸状に伸びて長さ8~12mm、白色で、中央の雄蕊は内側に2個の葯、両側にはそれぞれ1個の黄色の葯がある。子房は長さ約1mm。果実は淡緑色、倒卵状球形で長さ3mm。本種は黄色の葯が後ろに隠れよく見えないが、ヒトリシズカはよく見える。
  <よく似たもの>
ヒトリシズカ : 花穂は1個、葯隔は3~5mm。葉は光沢があり、先端は細く尖る。
フタリシズカ : 花穂は1~5個 花糸は糸状でなく、内側に曲がって雄しべを包む。  

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