キバナチゴユリ '25 &不明種


                    ’25.5.2撮影 菊池市(熊本県)

まだ開花していない株のほうが多かったですが、日当たりが良い場所では開花していました。



                                   ’25.5.2撮影 菊池市(熊本県)


                   ’25.5.2撮影 菊池市(熊本県)

クローズアップしているので大きく見えますが、
花被片の長さは約1.5cm(1~1.8cm)()内は図鑑のデータ
花柄は約1cm(0.8~1.7cm)
チゴユリのように大きく開かず、丸みのある倒円錐形、花被片の先端はやや内側に向いています。
花被片の先は鋭頭~鈍頭。
花被片の間から、雄しべの葯と雌しべの花柱が見えていますが、
両方とも花被片より短く、半分くらいの長さです。



                                   ’25.5.2撮影 菊池市(熊本県)



謎の個体!
淡黄色のホウチャクソウ? キバナノチゴユリの変異? キバナノチゴユリとホウチャクソウの交雑?


             ’25.5.2撮影 阿蘇市(熊本県)

キバナノチゴユリのように花は淡黄色ですが、
なんだか違和感が??
キバナホウチャクソウを調べてみると、
キバナホウチャクソウ Disporum uniflorum Baker は対馬の1箇所のみに自生し、
花茎の先の大きな苞の間から淡黄色の花を下げています。
園芸種のキバナホウチャクソウは中国産からつくられたもののようで、大きく色鮮やかな花を咲かせます。

ホウチャクソウとキバナノチゴユリの交雑種でしょうか?
交雑種となると、一代限りなのか、種を残すことが出来るのかも知りたくなります。
なお、花友たちはキバナノホウチャクソウに見え、違和感は感じなかったようです。


             ’25.5.2撮影 阿蘇市(熊本県)

茎は分枝していないもの、中央あたりで分枝したものがあります。
花柄はバラツキがありましたが、1~3cmくらいあり、花は垂れ下がっている。
花は淡い黄色で膨らんでいますが、全体の姿はホウチャクソウです。
花被片はキバナチゴユリよりやや長く2.2cm、先端が尖り方はホウチャクソウに似ています。
雄しべや花柱のチェックを忘れたのが悔やまれます。


             ’25.5.2撮影 阿蘇市(熊本県)



             ’25.5.2撮影 阿蘇市(熊本県)



                ’25.5.15撮影 阿蘇市(熊本県)

↑茎頂に花を2個つけたものもありました。花柱が僅かに出ています。
画像は花友よりお借りしました。

↓少し離れたところには、標準的なホウチャクソウが咲いていました。


                                ’25.5.2撮影 阿蘇市(熊本県)
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 *APG分類体系、従来の分類ではユリ科
 Disporum lutescens (Maxim.) Koidz.
キバナチゴユリ(黄花稚児百合)/ *イヌサフラン科 チゴユリ属 多年草/ 5~6月/ 本(和歌山県)、四、九
山地の林下。走出枝を出す。茎は高さ10~65cm、分枝しないか上部で分枝し、枝分かれの下にも葉を1~2枚つける。葉は長楕円形~卵形、長さ3~12cm、先はやや尾状~鋭形、基部は円く、無毛、5ー7脈があり、葉柄は短く、基上部の葉ほど大きくて先がやや尾状に伸びる傾向にある。花序は茎頂につき、1~3(~4)花からなり、散形状、花序柄はない。花は倒円錐形、下向きに咲く。花柄は長さ0.8~1.7cm、わずかに稜がある。花被片は披針形~長楕円形、長さ1~1.8cm、黄色、下半分で帯緑色、内面の下部に乳頭状突起があり、先は鋭頭~鈍頭、基部はふくらまないか、わずかにふくらむ。花糸は長さ4~6mm、帯緑色、基部で広がり、葯は狭長楕円形、長さ2.5~3mm、帯黄色。子房は倒卵形、長さ3mm、緑色、花柱は長さ6~7mm、緑白色、上部で3裂し、裂部の長さは3mm。液果は9~10月に熟する。
Disporum sessile D.Don ex Schult. et Schult.f. var. sessile
ホウチャクソウ(宝鐸草)/ *イヌサフラン科 チゴユリ属 多年草 / 4~5月 / 日本全土  
  丘陵、原野の林下。茎は高さ15~60cm、多少分枝する。葉は狭披針形~広卵形、長さ4~16cm、先は漸鋭先形~鋭形、基部は円く、無毛、3~9脈があり、柄は短く、裏面の脈上と縁に半円形の小突起がある。花序は基頂につき、1~3花からなり、花序柄はふつうない。花は筒状鐘形、端部でわずかに広がり、香気はなく、下垂して咲く。花柄は長さ1~3.5cm、わずかに稜がある。花被片はへら形~倒披針形または倒卵形、長さ2~3cm、白色だが端部で緑色をおび、先は円いが微短突起があり、内面下部に微細な短毛や乳頭状突起があり、外面下部に稜が出て、稜が基部の囊状のふくらみにつながり、囊状部の長さは1.5~3mm。花糸は長さ1.2~2cm、基部に微細な乳頭状突起があり、葯は線状長楕円形、長さ3.5~6mm、帯黄色。子房は倒卵形、長さ3~4mm、緑色、3室で各室に3個の胚珠があり、花柱は長さ1.2~2.3cm、白色、上部で3裂し、裂部の長さは3~8mm。液果は径10mm内外、8~10月に熟し、種子は長さ約4mm。和名は花を寺院の軒先につり下げられている宝鐸に見立てた。 

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