イトラッキョウ白花品種 (オトメラッキョウ




本日一番白花っぽいこの子はオトメラッキョウと言ってもよさそう。
タチツボスミレでも、オトメスミレは距に紫色を残す白花品なので、
この程度淡紅紫色を残していてもオトメラッキョウの範疇ですよね。
昔、もっと真っ白なオトメちゃんを見ていたので、現地ではオトメラッキョウモドキと呼んで、ごめんなさい。








’17.11.1撮影 平戸市(長崎県)
ところで、白花について、少しばかり調べてみました。

このケースは植物のアルビノとは別もので、白花変種と呼ばれる現象。
本来は色のついた花を咲かせるはずの種が、白い花を咲かせる個体のことで、
色素の発現に関わる遺伝子の異常に起因しているようです。 (分類学上の扱いとしては品種)
なかでも、赤や紫色の色素、アントシアニン生合成の異変は発生しやすいそうです。

なお、植物のアルビノはクロロフィルが合成できずに白化した個体。
この個体の多くは種子の養分を使い果たした時点で枯れてしまいます。

調べているうちに次の記述に愕然!
『花弁の細胞は一般に葉緑体が発達せず透明に近いので、雪と同様に光の乱反射で白く見える。』
白花は白い色素を合成してると思っていたのですが、
植物界には白い色素がないそうです。花弁の白さは、花弁に含まれている気泡によるものらしいのです。
空気は透明でも泡になると、白くなる。それはわかるんだけど、ピンときません。

人間が見えている白色は、全ての色の可視光線が乱反射されたときに知覚する色。
光の三原色を3つ合わせると白色になる。
白色って不思議です。
  イトラッキョウGalleryへ

  *APG分類。従来の分類体系ではユリ科
イトラッキョウ(糸辣韮) / *ネギ科 ネギ属 多年草 / 11月 / 平戸市(長崎県)
   岩上に生える。花茎は高さ8〜22cm。根生葉は長さ10〜20cmのごく細い円筒形。花茎の先に紅紫色の花を散形状に
   2〜12個つける。白花品種はオトメラッキョウと呼ばれている。雄しべは花被片より少し長い。花の中の子房は緑色。
   (よく似たキイイトラッキョウは子房も赤味を帯びる)
 <よく似たもの>
 コシキイトラッキョウ :  花期は10〜11月で花の色は紅色帯びた白色。葉は中実。
    キイイトラッキョウ : 花期は10〜11月で花の色は濃紅紫色。子房も赤味を帯びる。葉は中空。
 ヤマラッキョウ : 花期9〜10月で花の色は紅紫色。ニラ臭が弱い。
 ギョウジャニンニク : 花期が6〜7月で花の色は淡黄白色。ニラ臭が強い。 

Home