ヤマジノホトトギス  F2


                 ’23.9.4撮影 九千部山(福岡県)

いつも薄暗いところが多いのに、明るいところに咲いていました。
葉は虫に食われていますが、花は色鮮やかでとっても綺麗です。
紅紫色の花柱が美しかったので、花の構造を観察してみました。



                   ’23.9.4撮影 九千部山(福岡県)

まず、花被片ですが、ぼんやり滲んだような赤紫色の斑点があり、6枚が水平に広がっています。
この花被片は内花被片(やや細い)3枚、外花被片3枚の構成です。
噴水のように飛び出しているのは花柱と雄しべです。
花柱は3裂して放射状に広がり、先で更に3裂しいます、
花被片より派手な赤紫色斑点模様で、縁には水滴をつけたような腺毛状の突起がついています。
アクセサリーではなく、何か役目がありそうな?
そのすぐ下で、6個の雄しべも同じく放射状弓なりに広がり、造形美をプラス、
オシャレ過ぎて、“人”までうっとりさせます。



                              ’23.9.4撮影 九千部山(福岡県)
  ヤマジノホトトギスGalleryへ

 Tricyrtis affinis Makino
ヤマジノホトトギス(山路の杜鵑草)/ ユリ科 ホトトギス属 多年草/ 8~10月/ 北~九
 
 山地の林下。草丈30~60cm。茎には斜め下向きの毛があり、葉は卵状長楕円形~狭長楕円形で、長さ8~18cm、まばらに毛がある。花は茎頂と葉腋に1~2個つき、上向きに咲く。花被片は白色で紅紫色の斑点が少なく、上半部は平開するも反り返らない。花柱に紫斑はなく、花柄には毛が多い。 よく似たセトウチホトトギスは、やや毛深く、花披片の下部に黄色の斑点があり、花や花糸に紫斑がある。

 <似たもの>
 ホトトギス : 花被片は斜上するだけで全開しない。茎には上向きの毛が多い。
 ヤマホトトギス : 花は茎の先端に集まってつき、花被片は反り返る。茎に下向きの毛がある。

Homeへ