シソバタツナミ


              ’24.5.20撮影 設楽町(愛知県)



                            ’24.5.20撮影 設楽町(愛知県)

トウゴクシソバタツナミの分布範囲なので、もしやと思ったのですが、
花序や茎の毛の状態がトウゴクシソバタツナミにしては開出毛の目立たず、
葉の鋸歯の形が円鋸歯状で、茎の中部から下の葉が大きいのでシソバタツナミと判断しました。
相違点は
シソバタツナミの葉は中部より下でもっとも大きく、茎は最大葉の上の節間がもっとも長い。
トウゴクシソバタツナミの葉は中部より上でもっとも大きく、茎は最大葉の下の節間がもっとも長い。



                           ’24.5.20撮影 設楽町(愛知県)


シソバタツナミ ’04.7.18撮影 祖母山
               ’04.7.18撮影 祖母山(宮崎県)

天然クーラーのクーラーを浴びているので、今頃花をつけています。
こんなにシソバタツナミらしい個体を見たのは初めてです。



葉裏の紫色が濃い個体                     ’05.6.12撮影 祖母山(宮崎県)



 葉裏の紫色が薄い個体    ’04.6.12撮影 鉾岳(宮崎県)



                 ’07.7.4撮影 稲尾岳(鹿児島県)



   葉表面の紫色の斑が強い個体             ’08.5.20撮影 周南市(山口県)


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 Scutellaria laeteviolacea Koidz.
シソバタツナミ(紫蘇葉立浪) / シソ科 タツナミソウ属 多年草 / 5~6月 / 本(宮城県以南)、四、九
林縁、落葉樹林下。茎の高さは10~40cm、開出毛と下向きに曲がった白毛を混生するか、まれに下向きに曲がった毛のみがある。葉は3~5対あって最下部のものは小さいがその上の葉がもっと大きく、その上の節間はふつう長く伸び、葉は上にいくに従って小さくなる。葉身は卵形~三角状卵形で長さ1.5~6cm、幅1.3~4cm。基部はふつう浅心形、縁の鋸歯は円鋸歯状となる傾向がある。花穂は2~8cm、花冠は長さ約2cm。
茎の高低や毛の性質、花序の疎密などによってホナガタツナミソウ、イガタツナミソウなどが分けられたが、これらの区別は明瞭とはいえない。シソバタツナミの和名や学名はかつてツクシタツナミソウの矮小品にあてられたが、基準標本は茎の毛が開出するイガタツナミ型の矮小品である。(改訂新版日本の野生植物より)
 <九州で見かける似たもの比較>
  タツナミソウ : 丘陵草地。花は直立。全体に白毛が密。葉は三角状卵形。草丈20~40cm。
  コバノタツナミ : 主に海岸近く。花は直立。葉は小型で丸い。全体小型、やわらかい毛。 草丈5~20cm。
  ツクシタツナミソウ :山地林内。花は直立。葉は長三角状卵形で、しばしば脈上に淡色の斑。草丈20~40cm。
  シソバタツナミ : 湿った林内。 花は直立。葉の裏面がふつう紫色を帯びる。草丈10~25cm。
  ヤマタツナミソウ : 山地の木陰。花は斜上。葉に粗い毛がある。草丈10~25cm。 

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