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低山~山地の林内や林縁、日当りのよい草地。高さ5~12cm、無茎種。地下茎は細くかつ短く、ときに地下匐枝をつけて新株をつける。葉は平開し、葉身の上面は鮮緑色、下面は淡緑色、質がやわらかく、ときに上面の脈に沿って白い斑が入り、卵形~長卵形、先端は鈍頭~鋭頭、基部は心形、長さ3~7cm、低く円い鋸歯があり、両面ともに有毛、葉柄は長さ4~10(~25)cm、開出気味の屈毛がある。果期の葉は大型になる。花は白色で中心部は淡黄色をおび、径約2cm、花柄は長さ7~12cm、開出気味の屈毛がある。萼片は広披針形、縁に短毛があり、付属体は2~3個の鋸歯があり、縁に短毛がある。花弁は長さ10~14mm、いずれの花弁にも紫色の条があり、側弁の基部は有毛あるいはまれに無毛。花柱は突出形(カマキリの頭形)、上部が左右にわずかに張り出し、柱頭は下向きに突き出る。距は太くかつやや長く、長さ7~8mm。蒴果は楕円状、長さ約1cm.。
タカオスミレ f.discolor(Nakai) Hiyama ex F. aek.
葉の上面が茶褐色あるいは黒紫色をおび、この色が下面にまで透けて現れるもの。
ハグロスミレ f. sordidaHiyama ex F. Maek.
葉の上面が黒紫色で、下面が淡緑色のもの。
アソヒカゲスミレ var.asoana E. Hama
葉身の基部が耳状に張り出し、葉がほこ形になるもの。
葉の上面は黒紫色~茶褐色で花が終わると緑色に変わる傾向がある。熊本県、広島県。
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