「イヌビワ」というより「イヌイチジク」って感じですよね。 ビワはバラ科ビワ属で、イヌビワはクワ科イチジク属、道理でビワみたいな花が咲かないんだ。 イチジクは「無花果」と書きますが、花を咲かせずに実をつけるように見えることに由来してます。 イチジクの仲間は花序が袋になっていて、その中に小さな花がたくさん入っているので、見えないんですよね。 上の画像では赤いのが花嚢で手前の黒いのが果嚢だと思います。 (雄花嚢は基部が細長くのびていることが多いそうなので、これは雌花嚢かな。) 花嚢の中には花がぎっしり詰まっています。 イヌビワは花と果実の区別も、雌雄の区別も難しいです。 雌果嚢は食べれますが、雄花嚢は虫えい(イヌビワコバチの巣)になっていることが多いので、ご注意下さい。 < イヌビワとイヌビワコバチは共存関係 > イヌビワコバチ雌は雄花嚢の中に入り、卵を産みます。 花嚢に入るとき翅はとれてしまうので、産卵後、外には飛び立つことはできず、一生を終えます。 雌花嚢に入ってしまった場合は、雌花の花柱が長いため卵を産みつけられず、ウロウロしながら死んでしまうのですが、 その間、体についた花粉を受粉することになります。 花嚢の中の卵は幼虫〜蛹と成長し、成虫になると交尾をします。 雄は翅がないので花嚢の中で一生を終え、翅のある雌は花嚢にある花粉をつけて外に飛び立ちます。 花粉を運んでくれるイヌビワコバチ雌のお陰で、雌株に美味しい果実がつくわけです。 因みにイチジクも同様で、受粉はイチジクコバチに頼っているそうです。 美味しい果実は鳥や動物が食べ、種をばらまいてくれます。 ↓こちらは葉が長いので、ホソバイヌビワまたは雑種だと思います。 ’21.8.10撮影 新宮町(福岡県) |
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