ツルニガクサ


            '22.8.18撮影 篠栗町(福岡県)

福岡県の低山で見かけるのはツルニガクサばかり、
よく似たニガクサも全国に分布しているのに、見たことがありません。
好む環境が違うのかな?


              '22.8.18撮影 篠栗町(福岡県)

萼や葉に腺毛が多いです。



花冠は2唇形。下唇は3裂して中央裂片が著しく大きくて舌状に張り出し、
上唇は2裂し小さくて目立たず、下唇の側片に小突起状のものがあります。
雄しべは4個で雌しべとともに長く突き出ています。



                                 '21.8.23撮影 篠栗町(福岡県)



                                  '21.8.23撮影 篠栗町(福岡県)





                          ’04.7.31撮影 国見山(長崎県)



                ’04.7.31撮影 国見山(長崎県)

ツルニガクサとニガクサはよく似ていますが、よくわかる識別ポイントは葉。
ツルニガクサは鋸歯が不揃いで二重鋸歯、ニガクサは細かくほぼ揃っている。
つぎに萼、腺毛が目立つのはツルニガクサ、腺毛がなく、まばらに短毛がニガクサ。

めったに見ることは出来ないのですが、よく似た仲間にエゾニガクサがあり、
福岡県の石灰岩地に記録があります。
やや葉の幅が広く、全体に開出毛が多いそうです。




                 ’01.7.25撮影 井原山(福岡県)



                                ’01.7.25撮影 井原山(福岡県)

鋸歯が不揃いで二重鋸歯。



  

’03.8.16撮影 吾妻山(広島県)

腺毛が多いです。

                                           ’03.8.16撮影 吾妻山(広島県)

鋸歯が不揃いの二重鋸歯です。

 Teucrium viscidum Blume var. miquelianum (Maxim.) H.Hara
ツルニガクサ(蔓苦草) / シソ科 ニガクサ属 多年草 / 7~9月 / 日本全土
山地の木陰。草丈20~40cm。地下に細長い走出枝を出す。茎は直立し、無毛または下向きの毛がある。葉は長楕円形で長さ4~10cm、幅1.5~5cm。先は尖り、基部は円形、縁には不揃いの鋸歯がある。質はやや薄く、表面には時に散毛がある。花は茎頂や上部の葉腋に3~5cmの花序をつけ、一方に偏って密に淡紅色の花をつける。花冠は8~10mm、下唇は長く突き出る。萼は全面に腺毛があり、上側の裂片の先は鈍い。果実(分果)はやや円形で長さ約1.2mm、不明瞭な網目模様があり、上部に腺点がある。
よく似たニガクサには萼の腺毛がなく、まばらに短毛がある。 

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