アコウ



気根を多数垂らし、親木を枯らしてしまうこともあるようで、
ガジュマルなどともに、「絞め殺しの木」と呼ばれるそうです。




イチジク(無花果)と同様に花らしきものが見当たりません。
びっしりついているのは果実のように見えますが、花嚢呼ばれるもの。
なんと、花嚢のなかには、雄花、雌花、虫えい花の3つが入っているそうです。
花嚢の先端にピンクの「へそ」が見えますよね。これ、入り口なんです。
この入口からアコウコバチが侵入して、先に咲く雌花と虫えい花に卵を産み付けます。
卵から孵化した幼虫は虫えい花の種子を食べ成虫になり、その頃にやっと雄花が咲きます。
成虫は交尾をし、翅のない雄は出口の穴をあけて力尽きます。
翅のある雌は花粉を集め、作ってもらった出口から外に出て、新たなアコウの花嚢を目指します。

’03.1.11撮影 指宿市(鹿児島県)

 Ficus superba (Miq.) Miq. var. japonica Miq.
アコウ(赤榕)/ クワ科 イチジク属 半常緑高木 / 本州(紀伊半島)、四国、九州、沖縄
暖地の海岸、沿岸地。高さ10~20m。幹の周囲から気根を垂らす。葉は互生し枝先に束生、楕円形~長楕円形で長さ8~15cm、幅4~8cm。先は短く尖り、基部は円形、全縁、両面無毛、側脈は6~8対。葉柄は長さ4~6cm。葉は3~4月頃一斉に落葉する。雌雄同株で葉腋や葉痕の脇に1~3個の花嚢をつけ、1つの花嚢に雄花、雌花、虫えい花がある。花嚢はやや平たい球形で径約8mm、花嚢の柄は2~5mm。苞は3個、柄の先につき、円形で長さ約1.5mm、草落する。果嚢(痩果)は径約1cm、熟すと白色で紅色を帯びる。種子は卵円形、長さ約2mm。

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